「のどが乾くのに水を飲んではいけない…」そんなストレスを抱えてはいませんか?
透析生活のカギを握っている、水分。
なぜ水分管理が重要なのか、その理由を知れば、日々のモチベーションアップにもつながるはずです。
さらに、食事から水分をコントロールするコツや、のどの渇きを抑える方法、のどの潤し方などもご紹介。
上手に水分と付き合って、快適な透析生活を過ごしましょう。

1.透析生活で水分管理が重要な3つの理由
透析生活で水分管理が重要な理由は、大きく3つあります。
理由1:心臓への負担を減らすため
体内に余分な水分が溜まると、血液量が増えて心臓が常にフル活動を強いられます。これが続くと心臓が肥大し、心不全のリスクが高まります。
理由2:透析中の急激な血圧変動を抑えるため
体内に水分が増えすぎると血圧が上がりますが、逆に透析で一度に大量の水分を抜こうとすると、今度は急激な血圧低下を招きます。除水量が増え血圧が低下すると、足がつったり、倦怠感、動悸、嘔吐などの症状が出やすくなります。透析中の血圧低下による苦痛を減らすには、日頃の水分管理が不可欠です。
理由3:合併症を避けるため
行き場を失った水分が体内に溜まると、血圧上昇による脳血管障害や、心疾患につながります。また、水分が肺に溜まった場合、肺水腫(はいすいしゅ)を引き起こし、激しい息切れや呼吸困難を招きます。
このように、身体への負担や透析時の負担を少なくするために、体内に取り込む水分の量を日々管理することが大切なのです。
2.水分量の目安は?体重管理の目標値
水分管理がうまくいっているかどうかを判断する指標は「体重」です。

透析と透析の間の体重増加を、一定の範囲内に収めることが目標となります。
まず、透析を始める前に「ドライウェイト」を決めます。
ドライウェイトとは、体に余分な水分が溜まっていない状態の目標体重のことで、いわば透析患者様にとってのベスト体重です。
透析を行う際に、「今日は何キロ除水するか(水分を抜くか)」を決めます。ドライウェイトは、その際のゴール地点となります。
- 透析前: 水分が溜まって体重が増えている状態
- 透析後: 水分を抜いて、ドライウェイトまで戻した状態
一般的に、体重増加量の目標値としては、
体重増加量の目標値
◆中1日(月→水など):ドライウェイトの3%以内
◆中2日(金→月など):ドライウェイトの5%以内
に抑えることが理想的とされています。
例えば、ドライウェイトが50kgの方であれば、中1日で1.5kg、中2日で2.5kgまでの増加が目安となります。
毎日、同じ条件(朝食前や着替え時など)で体重を量り、記録する習慣をつけることで、水分の溜まりやすさを把握できます。
ただし、体格や体調によって、理想の数値は異なります。まずは自分の目標値をしっかり確認し、医師と相談しながら、日々の増え方をコントロールしていきましょう。
3.水分管理と食事・塩分との関係
水分は、飲み物だけでなく、食べ物にも含まれています。
目安として、1日3食でおよそ1000~1200mlの水分を食べ物から摂っています。
ドライウェイトが50kgの方では、中1日で1.5kgの体重増加(水分量)が目安ですから、飲み物から摂る水分は500ml程度を目指すことになります。
また、のどの渇きには、塩分が深くかかわっています。
塩分を摂りすぎると、身体は水を飲んで薄めようとするため、脳が「のどが乾いた、水を飲まなきゃ」と考えます。
喉が渇いて辛い、と感じたときは、まず、前日の食事を振り返ってみましょう。塩分を上手に抑えることができれば、水分管理も楽に感じるはずです。
上手な減塩のコツについては、 透析と塩分-減塩はなぜ重要?水分管理を楽にする食生活の知恵 の記事を参考にしてみてください。
4.日常生活で使える、水分コントロールのテクニック
毎日の生活でも、ちょっとした工夫で水分の摂取量を抑えることができます。

<食べ物から摂る水分量を減らすコツ>
- 鍋物や汁物、麺類など水分の多い料理は控え、食べたいときは具沢山にしたり、汁は残したりする
水分の摂取とともに、塩分も抑えることができます。 - 「焼く」、「揚げる」、「炒める」など、水分をとばす調理方法を多く取り入れる
煮る、茹でる、蒸す などは、水分量が多い調理方法のため、多用しすぎないようにしましょう。 - 主食は、3食のうち1食は水分量が少ないパン、おもちにする
パンは口の中でパサつく場合は、バターやオイルなどを付けると食べやすくなります。
<コップ一杯の水を飲む代わりに試してほしい、喉を潤す方法>
- 氷を口に含む
水として飲むよりも口の中に留まる時間が長いため、少量(氷1個:約20〜30ml)でも効率よく、渇きを癒やせます。 - うがいをする
口の中がすっきりとして、渇きを感じにくくなります。レモン汁を少し加えると、さらにさっぱりするのでオススメです。 - 小さめの湯呑みやコップを使う
一気にゴクゴクと飲み干さず、お気に入りの湯呑みや小さなグラスで少しずつ、ゆっくり味わいましょう。 - 1日分の飲み物をあらかじめ取っておく
ペットボトルなどに測っておき、そこから飲むようにすると、「あとどれくらい飲めるか」がわかりやすくなります。
さらに、計量カップや決まった容器を使い、摂取した水分量を把握できるようにするとより良いでしょう。
5.メディクック宅配弁当で、水分・塩分の管理もラクに
メディクック宅配弁当は、1食当たりの水分量300g以下、塩分量2.2g以下。
エネルギーやたんぱく質、リン、カリウムも、透析患者様に最適な栄養バランスで管理栄養士が計算し、献立を作っています。
自宅に届いたら、冷凍庫にストック。
食べたいときに電子レンジで温めるだけ。
食事中に含まれる水分・塩分を、毎食計算して料理するのは大変。
そんなときはぜひ、メディクック宅配弁当を頼ってみてください。
まとめ
透析生活の水分管理は、長く健康に過ごすための大切な習慣です。
体重増加量を意識しつつ、日々の生活の中にのどを潤す小さな工夫を取り入れてみてください。
味付けの濃いものを少し控えるだけでも、自然と無理のない水分管理につながります。
水分を上手にコントロールして、透析中も、透析までの間も、元気に快適に過ごしましょう。
参考文献
- 日本透析医学会『慢性透析患者の食事療法基準(2014)』
- 一般社団法人 全国腎臓病協議会WEBサイト


