減塩食では、調味料を減らすと味がぼやけ「美味しくない」と感じてしまいがちです。しかし、味付けの仕方を工夫し、香りや酸味、食感などを活かすことで、塩分を控えながらも味わい豊かな満足感のある食事に仕立てることができます。
本記事では、普段のご家庭での料理にも取り入れやすい、美味しい減塩食の秘訣をご紹介します。
この記事でわかること
- 限られた塩分を効果的に使う味付けのワザ
- 香り・焼き目・酸味・食感を活かして美味しさを補う調理のコツ
- いつもの料理を減塩しながらさらに美味しく作るポイント
- 調味料を選ぶ際の注意点と、減塩食を無理なく続けるための工夫
目次
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5. 調味料を選ぶときの注意点
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7. まとめ
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8. 参照・引用元一覧
減塩食が美味しくないと感じる要因
塩分量を抑えるためにただ調味料を減らすだけでは、なぜ「美味しくない」「物足りない」と感じてしまうのでしょうか。まずはその要因を紐解いてみましょう。
・すべての料理が同じような薄い味
主菜、副菜、汁物などをすべて一律に薄味にすると、献立全体にメリハリがなく、単調な食事になってしまいます。一品ごとの味の違いが感じられず、どれを食べても同じで飽きやすく、満足感も下がります。
・調味料の塩味を感じにくい調理法
調味料が料理全体に染み込み、塩味を感じにくくなっている場合もあります。煮汁や下味に調味料を使うと、食材全体に味が分散し、ぼやけた印象になりがちです。
・塩味以外の味や香り、食感が弱い
味には塩味だけでなく、甘味・酸味・苦味・辛味など、さまざまあります。さらに、焼き目や香り、食感も美味しさを構成する重要な要素です。減塩を「しょうゆや塩を減らすこと」だけで考え、塩味以外の要素を活用できていないと、味気なく感じてしまいます。
限られた塩分を最大限に活かす3つのワザ
透析の減塩食では、食塩相当量は1日当たり6g未満が目安とされています。限られた塩分でも、塩味を引き立て、薄いと感じない味付けのポイントを押さえていきましょう。
献立1食の中で味の変化をつける
全品に少しずつ塩分を使うのではなく、主菜はしっかり味付けし、副菜は箸休めとして薄味に仕上げる、という風に、塩味を感じさせる料理を絞るとよいでしょう。
さらに、塩味以外の要素を組み合わせて味に変化を持たせることで、物足りなさを補うことができます。
<例>
- 主食:塩分を加えない白飯を基本とする
- 主菜:塩味を利かせ、しっかりめに味付ける
- 副菜:酢や柑橘類でさっぱり仕上げる、ごまや香味野菜などで風味を加える
- 汁物:具沢山で素材を味わう、だしを利かせる、七味や生姜で辛味や香りを加える
味付けは下味よりも仕上げに使う
同じ調味料の量でも、なじませるよりも表面に付ければ、口に入れた瞬間に舌で感じる味の印象が強くなります。
肉や魚の下味は控えめにし、加熱した後で表面に味付けします。たれにとろみをつけると少量でも食材に絡み、少ない調味料でも味を感じやすくなります。
和え物は長時間調味液に浸さず、食べる直前に味付けします。
食べる時の調味料は適量に
しょうゆやドレッシングは、直接かけると使用量がわかりにくいため、計量スプーンで計るか、スプレー容器などを活用してかけ過ぎを防ぎましょう。また、「かける」よりも、小皿にだして「つける」ほうが、味を感じやすく使用量も少なくて済みます。
塩分を増やさず美味しさを補う調理のコツ
「美味しさ」を構成する要素は、塩味・甘味等の味覚だけではありません。香りや食感なども、料理に変化をもたらし、食事の楽しみを演出するのに役立ちます。
焼き色をつけて香ばしさを出す
美味しそうに色づいた焼き目、香ばしい香りは、料理への期待感を高めます。さらに、しっかりと水分を飛ばすことで調味料の味がぼやけにくくなります。
肉や魚は、皮目をこんがりパリッと香ばしく焼き上げます。
たまねぎなどの野菜は、色が付くまで炒めることで、野菜に含まれる糖分の甘みを引き出し、カラメルの香りとコクが生まれるため、深みのある味に仕上がります。
パン粉、ごま・ナッツ類は、炒ることで香りが際立ちます。
<活用例>
- カレーに、あめ色に炒めたたまねぎを入れる
- サラダに、かるく炒ったナッツをトッピングする
スパイスやハーブなどの香りを活用する
スパイスやハーブは、独特の香りと刺激を持つため、うまく活用することで味に変化をつけ、飽きずに楽しめる食事を演出できます。
また、食欲増進や血行促進、消化促進などの効能がある成分を持つものもあります。漢方薬としても使われるものや、カリウムを多く含むものもあるため、使用量には注意が必要です。大量に使うのではなく、香りづけとして取り入れるようにしましょう。
しょうが、ねぎ、青じそなどの香味野菜も香りが良く、料理に添えると華やぎます。
ごま油やオリーブオイルを少量使っても、香りとコクを加えることができます。
<活用例>
- 焼き魚:柚子、すだち、山椒、しょうが
- 肉料理:にんにく、黒こしょう、カレー粉、レモン
- 和え物:青じそ、みょうが、ごま油
- 洋風メニュー:パセリ、バジル、オリーブオイル
酸味で味の輪郭をはっきりさせる
酢や柑橘類の酸味は、少量の調味料と組み合わせて味を引き締める作用があります。塩味や甘味を際立たせ、料理が冷めた状態でも味を感じやすくなることもあります。
<活用例>
- 塩焼きの魚にレモンやすだちを添える
- 甘酢、南蛮漬など、甘酸っぱく仕立てる
- しょうゆと合わせたぽん酢しょうゆを使う
食感で楽しむ
サクっとした揚げ物、カリっとした焼き物、シャキっとした炒め物など、味だけでなく調理法によって食感を変えれば、満足感が上がります。1食の中にいくつかの調理法を取り入れることで、違いを楽しむことができます。
<活用例>
- 主菜:表面をカリっと焼き、ふっくら焼き上げたハンバーグ
- 付合せ:サクっと揚げたフライドポテト
- 副菜:パリっと新鮮なサラダ
- 汁物:トロっとした甘みのあるポタージュスープ
減塩しながらいつもの料理を美味しく作るポイント
いつもの料理も、少し手順や方法を変えるだけでさらに美味しく出来るかもしれません。
和え物は直前に和える
△調味液で和えてお浸しのようにする
◎茹でた後、水気をしっかり切り、食べる直前に和える
水気が残ると調味料が薄まるため、水気はしっかり切ります。長時間浸さず、食べる直前に和えましょう。
しょうが、青じそ、みょうがなどの香味野菜、ごまやかつお節を香らせるのもおすすめです。
肉野菜炒めは最後にたれをからめる
△具材を炒めながら、全体に調味料を回しかける
◎具材を炒めて焼き色を付け、水分をしっかり飛ばし、最後に少量のたれをからめる
最初から調味料を入れると、野菜から水分が出て味がぼやけやすいため、肉と野菜を先に香ばしく炒めてから、最後に調味料を加えて表面に絡めます。
仕上げににんにく、黒こしょうなどで風味を補うのもよいでしょう。
煮物はだしを利かせる
△濃い煮汁で具材を長時間煮る
◎下茹でした後、水気をしっかり切り、旨味の利いただしで煮て、やわらかくなったら調味料で味付けしてさっと煮る
下茹ですることでカリウムも減り、火が通って味がしみ込みやすくなります。だしの旨味を活かし、調味料は量を減らし、最後に加えて味を立たせれば塩分を抑えられます。
しょうが、柚子などで香りを加えてもよいです。
スパイスを使って中華や洋食、エスニック料理など深みのある料理にしてもバリエーションが広がります。
調味料を選ぶときの注意点
市販のだしつゆや顆粒だし、コンソメキューブなどを使えば、煮物などでも簡単に旨味を補えます。また、最近は「減塩」「食塩不使用」の調味料も増えています。このような調味料を活用するにあたり、気を付けたいポイントを知っておきましょう。
食塩相当量を確認する
市販の顆粒だしやブイヨンは、商品によって塩分量が異なります。栄養成分表示を確認し、「100g当たり」などの表示単位にも気を付けながら「食塩相当量」をチェックして使用量を考えましょう。
昆布や干ししいたけなども、自然に含んでいる塩分や、カリウムを多く含むものもあるため、使い過ぎには注意が必要です。
液体タイプのだしつゆなどは、薄めて使うものも多く、希釈量によって塩分量は異なります。パッケージの希釈方法と食塩相当量の表示両方を確認するようにしましょう。
「減塩」でも使用量が増えれば塩分は増える
「食塩不使用」「食塩無添加」などと書いてあるものも、原材料の食材由来のナトリウム(塩分)を含んでいることもあるため、成分表示を確認しておくと安心です。
通常品より塩分が少なくても、量を多く使えば摂取量は増えます。「塩分〇%減」という表示だけでなく、使用量当たりの食塩相当量を見て、実際に使う量で比べましょう。
添加物に隠れている成分に注意する
一部の減塩調味料には、「塩化カリウム」などが使われることがあります。ナトリウム(塩分)を減らす代わりに、カリウムに置き換えられているものです。また、加工食品にはリン酸塩などを使用していることもあります。透析患者さんは、添加物にも少し注意を払っておくと安心です。
すべての商品に使われているわけではありませんが、調味料や加工食品を利用する際は、「原材料」と「栄養成分」の両方の表示を確認するくせを付けておくとよいでしょう。
減塩食を無理なく続けるための工夫
毎日、塩分を気にしながら食事管理を続けていると、負担に感じる日もあると思います。そんなときは、減塩メニューのお弁当などにも頼って心と体を休めることも大切です。
すべてを手作りにしなくてもよい
余裕があるときに副菜の作り置きをしておいたり、1品だけ手作りし市販品と組み合わせたり、自炊でうまくコントロールしつつ負担を減らす方法もあります。
忙しい日や疲れているときには、無理に一から作ろうとせず、レトルト食品や冷凍食品を利用するのも一つの手です。栄養成分表示がある商品、減塩や透析患者さん向けに作られた商品なら、自分に合った内容かどうかを確認できるため安心です。
透析弁当を活用する
「塩分控えめでも美味しい」と評判のメディクック透析弁当は、管理栄養士が透析患者さん向けに栄養成分を計算し設計した、自宅に届く冷凍弁当です。
塩分はもちろん、エネルギー・たんぱく質・カリウム・リン・水分といった、透析導入後に気になる成分は「慢性透析患者の食事療法基準」を基に調整。90種類以上の豊富なメニューは、どれも1食当たりの塩分を2.2g以下で作っています。
自宅に届いて、冷凍庫にストックしておけば、電子レンジで温めるだけで、透析患者さんにぴったりのバランスのとれたお食事を手軽にお楽しみいただけます。
初めての方は、透析弁当の定期便を
初回1食200円で始められます。
※本商品は治療食ではありません。必要な栄養量や制限には個人差がありますので、ご利用の際は主治医または管理栄養士にご相談ください。
まとめ
透析の減塩食では、全品を同じように薄味にするのではなく、限られた塩分を効果的に活かしたり、塩味以外の味も取り入れたりすることで、1食のなかで味にメリハリをつけることが大切です。
また、焼き目や香り、酸味・食感といった要素を組み合わせ、豊かで満足感のある食事を演出することもできます。いつもの料理も少しの工夫で、減塩しつつさらに美味しくできるコツも、知っておくと役立ちます。
毎日の食事づくりが負担に感じる時は、宅配弁当なども活用し、気負うことなく食事管理を続けられる習慣をつくっていきましょう。
※本記事で紹介している内容は、食事管理の目安としてご覧ください。ご自身に合った内容は、主治医や管理栄養士にご相談ください。


