外食する人のイメージ画像

透析患者さんが外食を楽しむための工夫|メニュー選びと前後の食事調整

透析中でも、工夫しながら外食を楽しむことはできます。

外食では、家庭での食事に比べて塩分・水分・カリウム・リンが多くなりやすいです。

とはいえ、メニューの選び方や注文時の工夫、外食前後の食事調整を組み合わせることで、無理のない範囲で外食を楽しめます。

本記事では、和食・回転寿司・ファミレス・中華・居酒屋・焼肉など、ジャンル別のメニュー選びのポイントと、外食前後の食事の整え方をご紹介します。

食事管理を続けながら外食を楽しむための参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • 外食時に意識したい塩分・水分・カリウム・リンへの配慮と、注文時の工夫。
  • 和食・ファミレス・中華・居酒屋など、ジャンル別にメニューを選ぶときのポイント。
  • 外食の前後で食事を調整する考え方や、冷凍透析弁当を活用する場面。

1. 透析中の外食で意識したい3つの基本

透析中の外食で意識したい基本

透析患者さんが外食を楽しむためには、日常の食事と同じように、塩分・水分・カリウム・リンに配慮しながら食事を選ぶことが大切です。

外食のメニューは、家庭の食事よりも味付けが濃いものが多く、見えにくい部分に塩分やリンが含まれている場合もあります。

ここでは、透析中の食事で意識したい基本と、外食時に役立つ工夫を紹介します。

1-1. 塩分を控えめにする:「別添え」「少なめ」の注文

外食で特に意識したいのが塩分です。

塩分を摂りすぎると喉が渇きやすくなり、水分の摂取量が増え、透析間の体重増加や体への負担につながることがあります。

外食先では、注文時に次のように伝えると、塩分量の調整に役立ちます。

  • 「ソースやドレッシングは別添えでお願いします」
    直接かけず、少量をつけて食べることで使用量を調整できます。
  • 「丼もののつゆは少なめでお願いします」
    ご飯に塩分の多いつゆが染み込む量を減らせます。
  • 「汁物は少なめでお願いします」「漬物はなしでお願いします」
    麺類のスープや味噌汁、付け合わせの漬物は塩分値が高いものが多いため、注文時に調整できるか確認してみましょう。

1-2. 水分量を調節する:飲み方と食べ物の水分に注意

透析患者さんにとって、水分量を意識することも大切です。

外食では、濃い味付けの料理や楽しい雰囲気の中で、つい飲み物を飲みすぎてしまう傾向があります。

飲み物は、最初に飲む量を決めておく、少なめに注文するなど、自分で量を把握しやすい形にしておくとよいでしょう。

スープ、お粥、あんかけ料理などは、水分を多く含む料理です。食べる量に気を付け、焼き物や炒め物などと組み合わせて選ぶのがおすすめです。

麺類のスープは飲み干さない、汁物は少なめにしてもらうなど、できる範囲で調整しましょう。

また、塩分を控えることで、喉の渇きを抑えることにもつながります。

1-3. カリウム・リンに配慮する:調理法と食品の選び方

カリウムとリンも、外食時に意識しておきたい栄養素です。

カリウムは、生野菜や果物、芋類に多く含まれます。外食のサラダは、水さらしなどの下処理がされているとは限らないため、量を控えめにする、温野菜を選ぶなどの工夫をしてみましょう。

リンは、練り物、ハム・ソーセージなどの加工肉、チーズを多く使ったメニューで気を付けたい栄養素です。

特に食品添加物として含まれる無機リンは吸収率が高いとされているため、加工食品が続きすぎないように心がけましょう。

毎回細かく成分を確認することが負担に感じる場合は、透析患者さん向けに栄養成分が調整された宅配弁当などを活用し、日々の食事管理の負担を軽くする方法もあります。

2. 外食ジャンル別・メニュー選びのポイント

外食ジャンル別のメニュー選びのポイント

外食のジャンルによって、それぞれ特に気をつけたいポイントがあります。

ここでは、和食・回転寿司・ファミレス・中華・居酒屋・焼肉など、よく利用される外食シーンごとに、メニューの選び方と食べるときにできるひと工夫をご紹介します。

なお、店舗やメニューによって栄養成分は異なるため、数値が気になる場合は各店舗の公式栄養成分表を確認しましょう。

2-1. 和食・回転寿司・定食

和食や定食は、ご飯・主菜・副菜が分かれているため、比較的調整しやすい食事形式です。一方で、味噌汁、漬物、煮物、小鉢などがセットになっていることも多く、塩分が重なりやすい点には注意が必要です。

定食を選ぶ場合は、味噌汁を少なめにしてもらう、漬物をなしにできるか確認する、煮物の汁は飲まない、醤油やソースは直接かけず小皿に出して少量をつける、などの工夫をするとよいでしょう。

カツ丼や天丼、親子丼などの丼物は、ご飯にタレやつゆが染み込みやすく、塩分量を調整しにくいことがあります。量や頻度に気を付け、注文時にタレやつゆを少なめにできるか確認してみましょう。

回転寿司は、食べる量を自分で調整しやすい外食のひとつです。ただし、醤油の塩分や魚介類に含まれるリンには注意が必要です。醤油は少量をつける、味の濃いネタや加工されたネタが続きすぎないようにするなど、食べる量と組み合わせを意識しましょう。

2-2. 洋食・ファミレス

洋食やファミレスはメニューが豊富で、ソースやドレッシングの別添えなどを相談しやすいジャンルです。

ハンバーグやステーキなどを選ぶときは、ソースを最初からかけてもらうのではなく、別添えにできるか確認すると、塩分量を調整できます。

チーズを使った料理、ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉が入っているメニューは、塩分やリン、特に食品添加物として含まれる無機リンにも注意したいところです。

また、フライドポテトやポテトサラダなどの芋類は、カリウムが多く含まれる食品です。付け合わせとして付いている場合は、食べる量を控えるか、別の食材に変更できるか確認してみましょう。

ドリンクバーを利用する場合は、100%果汁ジュースや野菜ジュースにも注意が必要です。水分に加えてカリウムも多く含まれていることがあるため、飲む量をあらかじめ決めておくと管理しやすくなります。

2-3. 中華・ファストフード

中華料理やファストフードは、塩分や油分が多くなりがちです。

食べる量や組み合わせを意識しながら選ぶことが大切です。

ラーメンや中華スープなどの汁物は、スープに塩分と水分が多く含まれます。麺類を選ぶ場合は、スープを飲み干さない、汁物を別に追加しないなど、できる範囲で調整しましょう。

酢豚や八宝菜などのあんかけ料理は、あんに塩分と水分が含まれ、見た目以上に摂取してしまうことがあります。あんをすべて絡めずに食べるなど、量を調整してみましょう。

ファストフードでは、ハム・ソーセージ・ベーコン・チーズなどを使ったメニューが多く、塩分やリンが重なりやすくなります。単品で注文する、ポテトやドリンクの量を控えめにする、ソースを少なめにできるか確認するなど、組み合わせで調整するのがおすすめです。

2-4. 居酒屋・焼肉

居酒屋や焼肉では、塩分・リン・水分量に加えて、飲酒についても確認しておきたいところです。

飲酒については、合併症や服用している薬、体調によって判断が異なります。飲酒してよいかどうか、飲む場合の量については、事前に主治医に確認しておきましょう。

飲む場合は、お酒の量や種類だけでなく、一緒に食べるおつまみにも注意が必要です。ジョッキに入ったビールやサワー類は水分量も多くなりやすいため、飲む量を決めておくことが大切です。

また、カリウムやリンは、ビール・日本酒・ワインなどの醸造酒に含まれ、焼酎・ウイスキーなどの蒸留酒にはほとんど含まれていません。種類を選ぶときの参考にしてみてください。

おつまみでは、刺身、冷奴、焼き鳥などは塩分が比較的少ないメニューです。ただし、刺身や冷奴につける醤油は少量にし、焼き鳥はタレよりも塩の方が塩分を控えられます。

フライドポテトやもつ煮込みなども、塩分やリンが重なりやすいので、他のメニューとの組み合わせを考えながら選びましょう。

焼肉ではレバーやホルモンなどの内臓系はリンが多くなりやすいため、量や頻度に注意が必要です。ロースやカルビなどの部位を選び、レモンや少量の塩で食べる、タレをつけすぎないようにするなど、味付けを調整するとよいでしょう。

3. 外食前後の食事で調整する考え方

外食先で工夫をしても、塩分や水分などの摂取量は家庭の食事より多くなりやすいものです。

大切なのは、前後の食事を含めて1日全体で調整する考え方です。

3-1. 1日全体のバランスで考える

透析患者さんの食事管理では、1回の食事だけでなく、1日全体のバランスで考えると調整しやすくなります。

外食の予定がある日は、前後の食事をうす味にしたり、汁物や漬物を控えたりして、1日全体で塩分や水分が多くなりすぎないように意識してみましょう。

たとえば、昼食に外食を予定している場合、朝食や夕食は白米を中心にし、塩分の少ないおかずを組み合わせるとよいでしょう。

外食で揚げ物や濃い味付けの料理を選ぶ場合は、前後の食事では油分の少ない調理法やうす味を心がけるなど、無理のない範囲で整えていきましょう。

3-2. 外食前後の食事で調整する場合の具体的な例

外食前後の食事は、できるだけシンプルな内容にすると調整しやすくなります。

たとえば、以下のような工夫があります。

  • 主食は、塩分を含む麺類やパンよりも、白米を中心にする
  • 汁物や漬物は控えめにする
  • おかずは焼き物・蒸し物・茹でた料理など、味付けを調整しやすいものにする
  • 醤油やソースは控えめにし、レモン汁や香辛料を活用する
  • 野菜は必要に応じて茹でこぼしを取り入れる

外食の前後で毎回細かく計算するのは負担になることもあります。あらかじめ栄養成分が調整された冷凍弁当などを使い、食事の準備や計算の負担を軽くすることも考えてみてはいかがでしょうか。

4. 外食が続くときや疲れたときの冷凍透析弁当の活用

付き合いや予定が重なり、外食が続くこともあります。

また、外食後に疲れて、次の食事を細かく考えるのが負担に感じることもあるでしょう。

そのようなときは、冷凍透析弁当をストックしておくと、日々の食事管理を続けやすくなります。

4-1. 栄養計算の負担を軽くする

外食で塩分や水分が多くなりそうな日は、1日のバランスを考え、前後の食事で調整しましょう。

とはいえ、毎回自分で栄養成分を確認し、献立を考えるのは負担に感じることもあります。

管理栄養士監修の冷凍透析弁当は、エネルギー、たんぱく質、塩分、カリウム、リンなどに配慮して作られているため、栄養計算の手間を減らす助けになります。

豊富な種類の献立と1食分に適した栄養成分値を確認することができ、メニューの選び方や味付けの参考にすることもおすすめです。

4-2. 冷凍透析弁当のストックで心にゆとりを持つ

冷凍透析弁当を自宅にストックしておくと、外食が続いた日や食事の準備が負担に感じるときなどに活用できます。

たとえば、外食の翌日に冷凍透析弁当を使って食事内容を調整する、忙しい日や体調がすぐれない日に献立を考える手間を減らす、といった形で日常の食事管理に取り入れることができます。

電子レンジで温めるだけで手軽に食べられる点も、負担軽減につながります。

外食を楽しむためにも、普段の食事を調整しやすい形にしておくと安心です。

「栄養計算や献立に時間をかけなくていい」、「ストックがあるから大丈夫」という安心感は、心にゆとりを与えてくれます。

冷凍透析弁当も、日々の食事管理を支える選択肢として活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

透析中の外食では、塩分・水分・カリウム・リンが多くなりすぎないように、メニュー選びや注文時の工夫を意識してみましょう。

外食の予定がある日は、前後の食事をうす味にしたり、汁物や漬物を控えたりして、1日全体で調整しましょう。

毎日の食事管理や栄養計算が負担に感じる場合は、「メディクック宅配弁当」を活用することもおすすめです。

「メディクック宅配弁当」は、管理栄養士が透析中の方向けに栄養設計した冷凍弁当を、日本全国へお届けしています。

電子レンジで温めるだけで、食事の用意ができます。

無理のない食事管理で、外食も日々の食事も楽しみましょう。

管理栄養士監修のこだわりと栄養基準を見る

記事作成:メディクック宅配弁当運営チーム

参照・引用元一覧