白い布を敷いたバスケットに並べたスライスパン

「透析中でもパンが食べたい」を叶える!選び方と食事のコツ

「透析を始めたら、パンは食べられないの?」と思っている方もいるかもしれません。腎臓病の保存期にはたんぱく質制限や塩分制限でパンを控えていた方でも、透析導入後はエネルギーとたんぱく質が不足しやすくなるため、パンも大切なエネルギー源の一つになりえます。ただし、塩分・カリウム・リンへの配慮は引き続き大切です。この記事では、透析患者さんがパンを食事に取り入れる際の選び方や、食事管理の負担を軽くするための工夫をご紹介します。

この記事でわかること

  • 透析導入後にパンを食べる際の注意点
  • おすすめのパン、控えるべきパンの種類
  • 塩分・カリウム・リンを抑えるための食べ合わせと調理の工夫
  • 献立づくりの負担を減らす「透析弁当」の活用法

透析患者さんがパンを食べる際に注意したい成分

肉・魚・卵・豆類・乳製品など、たんぱく質を含む食品

透析患者さんの食事では「エネルギー・たんぱく質はしっかり、カリウム・リン・塩分・水分は控えめに」というバランスを意識することが大切です※。パンを食べる際も、これらの成分にどう配慮するかを知っておくと、日々の食事選びの参考になります。

※血液透析(週3回)の場合

しっかり摂りたい成分(エネルギー・たんぱく質)

透析治療中はたんぱく質やアミノ酸が失われやすく、エネルギーやたんぱく質が不足しないよう配慮することが大切と言われています。体力を維持するためにも、エネルギーとたんぱく質は食事からしっかり摂ることを意識しましょう。パンやごはんなどの主食は、エネルギー源としての大部分を担う重要な役割を持っています。

また、腎臓病保存期に低たんぱくパンを利用していた場合は、透析導入後も続けて利用するとたんぱく質が不足する可能性もあります。自分に必要なたんぱく質量を把握し、過不足なく摂取できるように調整しましょう。ただし、透析導入後もたんぱく質制限がある方は、引き続き主治医・管理栄養士の指示に従って量を調整してください。

基本の主食としては、塩分ゼロでおかずとも合わせやすい白ごはんがおすすめです。パンを食べたい場合は、後述する成分に配慮しながら取り入れましょう。

なお、摂取量の目安は個人の状況によって異なります。

控えたい成分(塩分・カリウム・リン・水分)

塩分:パンは味や保存のために製造工程で塩が使われるため、ごはんに比べて塩分が高くなります。食パン6枚切り1枚(約60g)には約0.7〜0.8gの塩分が含まれており、1日の塩分摂取量に占める割合として意識しておきたい量です。

カリウム:菓子パンや惣菜パンに使われるあんこ・果物・ナッツなどの副材料には、カリウムが多く含まれる場合があります。シンプルなパンの方が、カリウムの摂り過ぎに配慮しやすいでしょう。

リン:加工肉やプロセスチーズなどの副材料・添加物にはリンが多く含まれる場合があります。特に食品添加物由来のリン(無機リン)は体に吸収されやすいとされているため、惣菜パンや加工品を多く使ったパンには注意が必要です。

水分:パンはごはんに比べて水分量が少なく、口の中がパサつきやすいため、水分制限のある透析患者さんは、飲み物の量にも気を配ることが大切です。バターやオイルを付けて食べるとエネルギー補給にもなり、水分が少なくても食べやすくなります。

ごはんとパンの栄養価の比較

ごはんとパンの主な栄養価は下の表のとおりです。

ごはんとパンのエネルギー・塩分の目安
食品 目安量 エネルギー 塩分
ごはん(白米・めし) 1杯 約150g 約234kcal 0g
食パン(角形) 6枚切り1枚 約60g 約149kcal 約0.7〜0.8g
ロールパン 1個 約30g 約93kcal 約0.4g
フランスパン(バゲット) 約60g 約173kcal 約1.0g

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」。各食品の100g当たりの値から、上記の目安量に換算しています。重量や栄養成分は製品により異なるため、市販品はパッケージの表示をご確認ください。

白ごはんは塩分ゼロなうえ、1食の量をしっかり摂りやすく、エネルギー源として最適です。パンはごはんに比べて塩分が多くなりがちなため、基本の主食はごはんとし、パンは食事のバランスを見ながら頻度や量を調整して楽しむようにすると、塩分管理を続けやすくなります。

パンにも種類がある!透析患者さんにおすすめの選び方

白い布を敷いたバスケットに並べたスライスパン

一口にパンといっても、種類によって塩分・カリウム・リンの含まれ方は異なります。ここでは、透析患者さんが日々の食事でパンを選ぶ際のポイントを整理します。

シンプルなパンを選ぶ

食パン・ロールパンなど、副材料や添加物が少ないシンプルなパンを、主食として献立に取り入れるのがおすすめです。

フランスパン(バゲット)は、副材料が少ないですが、食パン、ロールパンよりも塩分が高い傾向があるため、注意が必要です。

クロワッサンやデニッシュは、バターや油脂を多く使うため、脂質によるエネルギーが高くなりやすい特徴があります。エネルギーを補いたい場面で食べることもできますが、脂質異常症などが気になる方は、担当の医師・管理栄養士に相談のうえ取り入れてください。

レーズン入りのパン、全粒粉やライ麦のパンなどは、健康的なイメージがありますが、カリウム・リンが多くなることがあります。カリウム・リンの摂取量が気になる場合は注意しましょう。

菓子パン・惣菜パンは量や頻度を控える

菓子パンや惣菜パンは、副材料や添加物によって塩分・カリウム・リンが高くなりやすいため、頻度や量は控えたほうが良いでしょう。あんこや果物にはカリウムが多く、生クリームやカスタードはリンが多く含まれます。また、チーズ、ハム・ソーセージなどの加工肉は、リン・塩分が多くなりがちです。

さらに、スーパーなどで買える菓子パン・惣菜パンは、カリウムや無機リンを含む保存料などの添加物が使われているものもあります。原材料名や栄養成分の表示もチェックし、添加物が少なくシンプルなものを選ぶと良いでしょう。

菓子パン・惣菜パンは量や頻度を控え、シンプルなパンに合うおかずと一緒に、バランスのよい1食に仕立てましょう。甘さや風味が物足りない場合は、シンプルなパンにバターやオリーブオイル、はちみつ、少量のジャムを付けて楽しむのもおすすめです。

また、糖尿病について指導を受けている場合は、菓子パンは特に糖質量に配慮し、担当の医師・管理栄養士に相談しながら量や頻度を調整しましょう。

特殊食品の活用

塩分が気になる場合は、通販などで購入できる減塩パンや無塩パンを活用できます。なお、減塩パン・無塩パンは、一般的なパンに比べて保存期間が短い場合があるため注意が必要です。

透析導入後もたんぱく質の摂取量に制限がある場合には、低たんぱくパンを利用することもできます。ご自身の状況に合わせ、担当の医師・管理栄養士に相談しながら活用すると良いでしょう。

パンに合わせるおかずの栄養成分が分かると、食事全体のバランスを考えやすくなります。メディクックの透析弁当は、管理栄養士が栄養成分を計算しているため、毎日の献立づくりや栄養計算の負担を減らせます。
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パンに合わせた食事の工夫

トマト・きゅうり・なす・葉物野菜などを盛り合わせたかご

パンを主食に献立を組む場合も、主菜・副菜とバランスよく組み合わせることが大切です。洋食スタイルのサラダやスープはパンとよく合いますが、食事全体での塩分・カリウム・水分にも配慮しながら、無理のない食事スタイルを続けることをおすすめします。

カリウムを減らす野菜の調理法

パンにサラダやスープを合わせる際は、野菜のカリウムを減らす調理の工夫をしてみましょう。カリウムは水に溶けやすい性質があるため、以下の方法でカリウムを減らしやすくなります。

  • 茹でこぼし:野菜を細かく切ってから、たっぷりのお湯で茹でてお湯を捨てる方法です。カリウムを20〜50%程度減らせるとされており、効果的です。可能であればこちらを優先してください。
  • 水さらし:生野菜の場合は、流水にさらすことでもカリウムを減らせます。ただし、茹でこぼしに比べて除去できる量は少ないとされています。

どちらの方法も、野菜を細かく切ることで効果が高まります。スープに使う場合は、茹でこぼしてから調理に加えましょう。

リンを抑えるたんぱく質源の選び方

パンに合わせるおかずとして定番のハム・ウインナー・ベーコンなどの加工肉やプロセスチーズには、体に吸収されやすい「無機リン」が多く含まれているとされています。日常的に多く摂ることは、リンの管理の観点から控えたいところです。

代わりに使いやすいたんぱく質源として、以下のものが挙げられます。

  • 茹で卵:シンプルな調理で加工物が少なく、無機リンの摂取を抑えやすい食品です。ただし卵にもリンは含まれるため、食べ過ぎには配慮が大切です。
  • ツナの水煮缶:良質なたんぱく質源として食事に使いやすい食品です。製品によって塩分量が異なるため、栄養成分表示を確認すると良いでしょう。

メディクックの透析弁当でパンの日の栄養調整を

毎食の献立づくりや栄養計算に負担を感じる方は、透析患者さん向けに管理栄養士が栄養成分を計算した透析弁当を活用すると、食事管理の負担を軽くできます。おかずのみのセットのため、主食は自分で用意でき、パンと組み合わせることもできます。

栄養バランスに配慮したメニュー設計

メディクックの透析弁当は、管理栄養士が栄養成分を計算して設計しています。エネルギー・たんぱく質はしっかり、リン・カリウム・塩分・水分に配慮したメニュー構成を心がけています。

ただし、塩分は「塩分ゼロのごはん」を主食とした場合を想定しています。パンと組み合わせると、1日のトータル塩分量が多くなる可能性があります。パンと合わせる場合は無塩パンを活用したり、その日の他の食事で塩分を抑えたりするなど調整しましょう。「基本はごはん、たまの楽しみにパン」というスタイルも、塩分管理を続けやすくなります。

パンに合う洋風メニューも

メディクックの透析弁当は、和食・洋食・中華とバリエーション豊かなメニューを取り揃えています。ハンバーグやグラタン風のおかずなど、パンと合わせやすい洋風メニューも豊富にラインナップしており、パンの日の献立づくりにお役立ていただけます。

毎日の食事づくりの負担を軽くする

冷凍でお届けする透析弁当は、電子レンジで温めるだけですぐに食べられます。毎日の食事準備や栄養計算にかかる手間を軽くしたい方に向いています。冷凍保存できるため、調理が難しい日に備えてストックしておくことも可能です。

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※本商品は治療食ではありません。透析治療の内容(血液透析・腹膜透析・長時間透析など)は個々に異なり、必要な栄養量や制限も人それぞれです。ご利用にあたっては、担当の医師または管理栄養士にご相談のうえお召し上がりください。

まとめ

透析治療中であっても、成分への配慮と選び方のポイントを押さえれば、パンを食事に取り入れることができます。

  • 塩分・カリウム・リン・水分への配慮
  • 食パン・ロールパンなどシンプルなパンを選ぶ
  • 菓子パン・惣菜パンは頻度を控える
  • 基本はごはんを主食とし、パンは気分転換やたまの楽しみにする

毎日の献立づくりや栄養計算に負担を感じたときは、透析弁当を活用し、無理なく食事を楽しんでいただければ幸いです。

※本記事で紹介している内容は、食事管理の目安としてご覧ください。ご自身に合った内容は、主治医や管理栄養士にご相談ください。

参考文献

  1. 文部科学省「食品成分データベース」(日本食品標準成分表〈八訂〉増補2023年)。比較表の参照食品:精白米・うるち米のめし、角形食パン、ロールパン、フランスパン。
  2. 日本透析医学会「慢性透析患者の食事療法基準」 透析会誌47(5):287–291,2014。
  3. National Kidney Foundation “Potassium in Your CKD Diet”(野菜からカリウムの一部を減らす調理方法を参照)。

記事作成:メディクック宅配弁当運営チーム